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書籍より学ぶ。新耐震基準の住宅の倒壊について(1)

こんにちは!

コモハウスの向谷地です。

 

現在、読んでいる書籍にて学んだことを私自身の考えなども交えながらご紹介いたします!

読んでいるのは日経ホームビルダーの「なぜ新耐震住宅は倒れたか ~変わる家づくりの常識~」という本です。

 

とてもマニアックかもしれませんが、今後正しく耐震設計を行っていく上でとても重要で学びの深い内容ですので、私自身のアウトプットも兼ねさせてください(^^;

 

 

震度7の地震に2回連続で襲われた熊本大地震。

この地震で多くの住宅が倒壊しました。

 

現地に著名な先生方などの調査団が入り、倒壊の原因を探っていく中で様々なことが分かってきたそうで、それらを推測も交えて紹介されています。

 

1981年に設定され、今も耐震基準のベースとなっている「新耐震基準」。

この新耐震基準に則っているはずの住宅が多く倒壊しているという現状に対して、原因と今後の設計方針、設計者・技術者としての心構えを改めて考えさせられる内容です。

 

中古物件をリノベされる方や投資用に中古戸建を購入される方はこの「新耐震基準」が一つの目安になっているのではないでしょうか。

しかし、残念ながら新耐震基準の建物でも多く倒壊してしまっているという事実があります。

なぜ倒壊してしまっているのか、その原因を私も知る必要があると思い、読み進めています。

 

この書籍の中で特に学びが大きかったと思うポイントを今後一つづつ紹介させて頂きます!

 

今回は倒壊している建物の「耐力壁」の傾向について。

 

<今回の学び>

建物全体を筋交※のみで耐力壁を構成している場合、耐力壁自体の粘り強さが小さく、地震の揺れに追随できない筋交が壊れてしまうと建物全体の耐震性能が著しく低下して、倒壊してしまったのではないか。

 

※筋交:過去ブログ「筋交(すじかい)と制振ダンパーの違い」をご参照ください

 

コモハウスの仕様もそうですが、外周部は筋交ではなく、耐力面材というパネル型の耐震要素を使用し、内壁には筋交を使用することが最近では一般的です。

 

 

面材のほうが粘り強さが大きいため、地震により部材が壊れにくく、急激な耐力低下にはつながらないと考えられています。

 

また、外周部は断熱施工のこともあるので、極力筋交ではなく面材としておくと、断熱欠損などが生じにくくなるメリットもあります。

 

すべて筋交=震度7で倒壊 ではないと思いますが、これから家づくりを始める方は是非、耐力壁の構成を確認してみてください(^^)/

 

向谷地